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日本酒の会 sake nagoya
「定例会」報告

日時:2025年8月23日(土)
場所:和彩盆 大彦(だいひこ)(名古屋市中村区名駅五丁目)
テーマ:夏に飲みたいお酒Part2
参加者:28名

 

今回のお酒(順不同)

銘柄
/ 種別
/ 使用米・精米歩合
製造
(産地)
購入
価格
(容量)
把握する
銘柄取扱店舗
参加者のコメント
末廣
/玄宰 特上
/会津産福乃香 ・ 50%
末廣酒造
(福島県)
3,960
(1.8L)
吉田屋 微発泡。透明な酒色。桃やメロンの様なフルーティな香りがある。スッキリした甘味、酸味、炭酸感があり、バランスの良い軽い飲み口。後半も、もたつかず苦味を伴って切れていく。よく冷やして楽しみたい。 9
羽根屋
/Clear Blue クリアブルー 生酒
/国産米 ・ 60%
富美菊酒造
(富山県)
3,850
(1.8L)
酒泉洞堀一、吉田屋 微発泡。ごく薄い黄金色の酒色。メロンや桃の様な香りがありフルーティ。きめ細かな甘味と透き通るような酸味があり、あっさり爽やか。最後は微かな苦味を伴い切れていく。やや単調という意見も。 5
寒菊
/純米大吟醸 無濾過生原酒
/山形県産酒未来 ・ 50%
寒菊銘醸
(千葉県)
3,850
(1.8L)
酒泉洞堀一 発泡感がある。ほぼ透明な酒色。フルーティな香りがある。優しく上質な甘味があるが、炭酸感でさっぱりした印象。後半は辛味と苦味がしっかりした飲みごたえを作り、すっきり、キレよく消えていく。 1
山三
/純米吟醸 山田錦 五割五分 無濾過生原酒
/兵庫県産山田錦 ・ 55%
山三酒造
(長野県)
3,740
(1.8L)
酒泉洞堀一、吉田屋 微発泡。ごく薄い黄金色の酒色。マスカットの香り、木の香りがある。甘味や旨味は濃厚だが、爽やかな酸味、発泡感に支えられスッキリ。後半はキリっとした辛味とキレ感で引き締まった印象。 10
鳳凰美田
/純米酒 瓶燗火入 剱
/国産米 ・ 55%
小林酒造
(栃木県)
2,970
(1.8L)
オオタケ、吉田屋 ごく薄い黄金色の酒色。フルーティな香りがある。強い甘味を、しっかりしたアルコール感が支え、だれさせない。後半は、しっかりした苦味や辛みを感じさせながらキレていく。よく冷やして楽しみたい。 2
楯野川
/純米大吟醸 清流
/出羽燦々 ・ 50%
楯の川酒造
(山形県)
3,540
(1.8L)
酒泉洞堀一、酒正、知多繁 透明の酒色。粘性がある。フルーツを思わせる華やかな香りがある。落ち着いた甘味を中心にしてバランスよくまとまる、スッキリした淡白な飲み口。ほろ苦さとともに優しい余韻が広がる。発泡感があったらなお良かったという意見も。 3
香露
/純米酒 九曜正宗
/国産米 ・ 65%
熊本県酒造研究所
(熊本県)
2,860
(1.8L)
調査中 発泡感がある。透明の酒色。ヨーグルトの香り、フルーティな香りがある。淡い控え目な甘味の後に爽やかな酸味が広がる辛口。あっさりした旨味の後は微かな苦味を伴ってスッキリ切れていく。少し薄いという意見も。 6
光栄菊
/Sunburst サンバースト 無濾過生原酒
/国産米 ・ -
光栄菊酒造
(佐賀県)
3,493
(1.8L)
オオタケ、知多繁、酒のきまた ごく薄い黄緑色の酒色。木の様な爽やかな香りがある。粗めの甘味、しっかりした酸味、発泡感が、爽やかで甘酸っぱいジュースを思わせる。一癖あるもののスッキリして飲みやすい。 8
飛鸞
/HIRAN にこまる 生酛造り
/麹米:山田錦20%、掛米:にこまる80% ・ -
森酒造場
(長崎県)
3,355
(1.8L)
酒泉洞堀一 透明の酒色。僅かにヨーグルトの様なミルキーな香り、酸っぱい香りがある。しっかりした酸味が目立ち甘酸っぱい印象。重層的な旨味が広がるが、重くはならずスッキリしている。塩っぽさを感じるという意見も。 4
萩乃露
/純米吟醸 里山 斗瓶採り しずく酒 生酒
/国産米 ・ 60%
福井弥平商店
(滋賀県)
3,960
(1.8L)
酒泉洞堀一、知多繁 ほぼ透明な酒色。粘性がある。正露丸のようなスモーキーな香りがある。甘味は穏やかで酸味も低い。旨味は微かであっさりしているが、終盤にはしっかりした苦味を感じる。食中酒向き。やや単調という意見も。 7

(注)この評価は、単に参加者の感想を集計したものであり、他意はありませんので、ご了承ください

(コメント)

「夏に飲みたいお酒」お楽しみいただけたでしょうか。前回同様スッキリ、さっぱりとしたお酒が中心で酷暑の時期にはピッタリでした。
さて、話は変わりますが、お米は1反当たりどれぐらい収穫できるかご存知でしょうか。郡部の学校に勤めていた時、地元の先生から1反で10俵も取れればまあまあと聞いたことがあります。
先日、神戸で開催された「農!と言える酒蔵の会」というセミナーに参加させていただきました。無農薬、無化学肥料で山田錦を栽培するある蔵の1反当たりの収量は2~3俵とのこと。自家田栽培米で酒を醸すことで有名な蔵で、若い頃ちょくちょく飲んだ時には、ピンとくるところがなく、また結構値段も張ったので、いつの間にか足が遠のいていた銘柄です。
今回、蔵だけでなく圃場まで見学した後、熟成のきいたお酒をいただくと、今まで気づかなかった繊細さや透明感を理解できたような気がしました。
まあ説明を伺った後ですから、お酒の味は2~3割上昇したかもしれませんが、このところやっと美山錦や五百万石の良さも分かるようになった私としては30年かけて宿題を提出した気分です。時の経過により人の感覚は劣化するのか洗練されるのかわかりません。でも、もし若い頃にこのお酒はここが素晴らしいと教えられても、月が満ちていない私にはきっと理解できなかったことでしょう。
次はこのセミナーで話題になったこと。令和7年産の農協の農家からの飯米購入価格である概算金が、60キロ 2万円程度から3万円に大きく値上がりしたことです。酒米は風に弱い、反当りの収量が少ないなど様々な課題があり、どうしても飯米より高額でないと農家の生産意欲は上がりません。今年は飯米の値上がりにより酒米も大きく値上がりしそうとのことでした。
醸してから数年寝かせる蔵、すぐ出荷する蔵様々ですが、人件費輸送費など酒米以外の経費も値上がりする中で令和7BYのお酒はどうなるのか。かなり心配なところです。
閑話休題。次回の定例会は10月の開催になります。10月1日の日本酒の日も過ぎた時期です。そんな頃にはきっと残暑も越えて続く夏もすっかり終わっていることでしょう。(T)

 


美味しいものイロイロ


お刺身4種


焼き魚

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