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日本酒の会 sake nagoya 「福井弥平商店見学」の報告

日程 2009年3月1日(日)
酒蔵 福井弥平商店(滋賀県高島市勝野1387-1)


<2日目>

2日目も天気に恵まれ、旅館「やまつね」を8時半過ぎに出発。

先ずは時間調整を兼ねて活地鶏専門店「かしわの川中」へ向かう。

店内に入ると売り場と調理場が一体化しており、職人が見事な手捌きで鶏を捌いている。
今朝、朝挽きしたばかりの新鮮な鶏肉が色鮮やかに陳列されている。

思い思いの買い物をした一行は、琵琶湖を右手に眺めながら湖西道路を北上。本日の本丸である「萩の露」で有名な蔵元「福井弥平商店」へ向かう。

途中、蔵元の場所が分からず右往左往したが、何とか10時頃には目的地へ到着することができた。暫くすると、九代目蔵元である福井弥平氏が直々に出迎えて下さり念願の蔵見学が始まった。
福井弥平商店は、寛永年間の創業であり250年余りの歴史がある老舗蔵である。主に琵琶湖の西側にあたる高島市と大津市を市場に持ち地元に愛される蔵元でありながら、一方では、特定名称酒にも力を入れている注目蔵でもある。
今造りは11月の中旬頃から仕込みを始め、2月27日を持って甑倒しをしたばかりであり、現時点では7本の醪が上槽の瞬間を待っているそうだ。

さて、立派な玄関を入り少し進むと右手に水場がある。蔵元があるここ高島市をはじめ琵琶湖の西側辺り一帯は、水源が豊富であり井戸を十数メートルも掘れば比良山系の伏流水に辿りつけるとのこと。ちなみに湖東は鈴鹿山系、伊吹山系になるそうである。
仕込み水を口に含むと、何とも柔らかい甘味を感じさせる軟水である。やはり銘酒を醸すには名水が必要であることを再認識させられる。

銘酒「萩の露」は、地元と県外の需要に柔軟に対応するために、600kgから2t用の大小のタンクを使い分けて仕込みをしており、麹室、仕込み場も普通酒と特定名称酒用にそれぞれ用意されている。

この辺りは、北陸の気候に似ており湿気問題を考慮する必要があることから、特定名称酒用の麹室、仕込み場は2階に用意されている。また、麹は能登流らしく締めて造るそうである。2階はその他に晒し場としても使用されており、今後は特定名称酒用の麹室を拡張する計画もあるようである。

原料米は、酒造好適米である山田錦(兵庫県産、滋賀県産)、渡船、吟吹雪、玉栄、および地元産の食米コシヒカリ、夢未来を使用して酒造りをしている。
このことからも地元への拘りが見える。これは、九代目がお話しされる言葉の端々からも地元生産者の方々を大切にし、かつ地元に残る棚田などの良き伝統や文化を保存継承しながら地域全体の活性化を図りたいと言う強いお気持ちにも繋がるのであろう。
さて、酒母は基本的に速醸造りではあるが山廃造りについても果敢に挑戦されており、7造り目を迎えた今造りは、本醸造酒および純米酒用として2本仕込まれたそうだ。軟水でかつ金沢酵母での山廃仕込みは、醪が自ら発酵したアルコールにより弱ってしまう造りの難しさもあるそうだ。

搾りは醪により槽(ふね)と藪田(やぶた)を使い分け、粕歩合は純米が40%、大吟醸が50%程度にもなる。
貯蔵に関しても瓶貯蔵とタンク貯蔵を使い分けている。瓶貯蔵は冷蔵設備で5℃と7℃に設定してお酒に味を載せる工夫がされ、更に味を載せたい場合は敢えてタンク貯蔵にすることもあるそうだ。

一通り蔵見学が終わるとお屋敷に通される。筆者も随分蔵元には足を運んではいるが、何とも趣のある立派なお屋敷である。圧巻であったのは、奥座敷に通され柔らかな日差しが差し込んでいる襖を開けた瞬間、目の前に壮大な日本庭園が飛び込んできたことだ。

蔵元曰く、ここ数年前の豪雨から庭の苔に元気がなくなったとのことだが、それを差っ引いたとしても見事な日本庭園である。

久々に歩く縁側から暫く庭園に見入っていると、蔵元から「萩の露利き酒リスト」なるものを手渡される。まるで普段の日本酒の会 sake nagoyaの定例会を彷彿とさせる光景である。正に逆日本酒の会である。
以下が「萩の露利き酒リスト」である。

  1. 佳撰 玉栄等 70〜75%
  2. 上撰 玉栄等 70%
  3. 特別純米 吟吹雪 60%
  4. 特別純米 麹米:山田錦50% 掛米:吟吹雪60%
  5. 純米 麹米:吟吹雪60% 掛米:吟吹雪65%
  6. 純米吟醸 山田錦55%
  7. 純米吟醸 滋賀渡船6号55%
  8. 純米吟醸 吟吹雪45%
  9. 吟醸 山田錦60%
  10. 大吟醸 山田錦40%
  11. 大吟醸 山田錦35%
  12. 純米中汲み 麹米:吟吹雪60% 掛米:吟吹雪65%

よく見ると右端に順位欄があり、蔵元がいるアウェーでの得点記入には少々勇気が入った。リストを回収された蔵元はどのようにお感じになられたのだろうか?次回お会いしたら、是非伺って見たい。

 

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