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日本酒の会 sake nagoya 「萬乗醸造見学」の報告

日程 2008年7月26日(土)
酒蔵 萬乗醸造(名古屋市緑区大高西門田41)

 

 

今日も暑い日になった。
こんなに暑い日なのだが蔵見学である。
倒れそうに暑い日にわざわざ出掛けるにはそれなりの理由がある。
それは、この萬乗醸造は消費者にとっては幻の蔵であり、この機会を逃すと、次は見えないからである。

幻の蔵が何故見学できるのか?
幻が現に成った経緯は、こんな事らしい。
過日行われた、酒仙洞堀一主催の「がんばれ!日本酒in名古屋」に萬乗醸造の蔵元九平次氏が参加されており、その場で日本酒の会sake nagoyaのI氏、H@P氏が必死になって口説いて、口説いて...
何回口説いたか直接聞いていないので判らないが、漸く許諾をいただいたそうである。

この様な苦労の結果、現になった機会を見逃すことは出来ないのである。
流石に参加希望者は多く、本日の参加者は限定15名の抽選に勝ち残った人達である。

JR東海道線の豊橋行きに乗り、大高駅改札口を出ると、それらしき人たちが既に集まっていた。殆どが日本酒の会の顔馴染みの方達である。

大高駅は今回が3度目である。過去2回も蔵見学であるが、萬乗醸造は初めてである。大高には、蔵が3つ目と鼻の先にあり、狭い地域に蔵が3つもあるのは、今時珍しいし、文化的な意味も大きいものがある。
山盛酒造と神の井酒造の見学については、日本酒の会の体験報告に掲載されている。
http://www.sakenagoya.com/taiken/2007/20070225/tai20070225.htm

大高駅を出て駅前の道路を横断し、旧市街にはいる。
2月頃の蔵開きとは違って大変な暑さである。
歩いているだけでも太陽の直射日光にクラクラする。今日は夏の甲子園愛知県大会の決勝戦の日、高校球児達はこの暑さの中で熱闘を繰り広げている。ただ歩くだけで音を上げている場合ではない。

前方の店舗に大きな暖簾が涼しげに風に揺れていた。
大高は鳴海の文化圏である。流石に鳴海絞りの暖簾である。
死んでしまいそうな暑さの中、絞りの暖簾が風に揺れているのは、中々良い風情である。

前回は入れなかった「萬乗醸造元」の看板の掛かった門から中に入る。

門からすぐの処に事務室があり、その前に昔の陶製の化粧樽が並べられていた。七本鎗も同じような陶製の樽があったが、戦前の一時期であろうか流行ったものであろう。

左奥に蔵の建物が並んでいる。
寛政元年(1789年)創業の老舗蔵元である、建物は当時のものかどうか判らないが、由緒を感じる建物である。

【日本酒造りの講義】
蔵見学の前に、講義がある。
造りの時期には酒米の置き場になる空間に、テーブルを並べ、醸し人の中川さんから日本酒・醸し人九平次について説明をいただいた。

  1. ワインも日本酒も同じ醸造酒
    日本酒は米を蒸しデンプン化して、麹がデンプンをブドウ糖にして、酵母がブドウ糖を食べてアルコールを生成する平行複発酵である
  2. 麹造り
    洗米→蒸し→麹菌→手入れの工程に沿って説明。
  3. 麹が重要、もっと言えば原料米が重要
    昔から「一麹、二酛、三造り」と言われるように、日本酒の味・香りを決めるのは麹であると考えている。
    良い麹を造るためには良い原料米を使う必要があり、矢張り兵庫の山田錦が最も良いと考えている。五百万石、雄町も使用するが基本的には山田錦と考えている。
    山田錦は酒米に必要な以下の要件をすべて満たしている。
    1. 大粒で軟質である。
    2. 浸漬において吸水性がよい。
    3. 蒸米が外硬内軟になり弾力がある。
    4. 麹菌の破精込みがよい。
    5. 酒母や醪中で溶解性、糖化性がよい。
    6. タンパク質が少ない。
    7. 酒質がよい。
  4. 酵母
    酵母は車に例えればエンジンである。
    吟醸酒の醸造期間の30日を安定して走り続け、目的地までたどり着く酵母を使用する。
    香りばかり追求する吟醸酒は、「飲み飽きしてしまう」「飲み続けられない」酒になってしまう。そうではなく、「ナチュラルな感じ」を与えるものがよいので、酵母も味・香りについてナチュラル感を出せるものを使用する。
    基本的には協会14号を使用する。

    (注: 協会14号
    通称「K14号酵母」「金沢酵母」など。生成される酸が少ないために綺麗な味の仕上がりとなる。低温中期型もろみの経過をとり、吟醸酒本来の香りを生むのに適する。特定名称清酒に多く用いられる。 平成8年(1996年)に、金沢国税局鑑定官室にて分離。泡なし酵母の協会1401号をはじめとして派生酵母も多く存在する。「K-7グループ」に属する。)(Wikipedia)

 

 

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