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日本酒の会 sake nagoya
「定例会」報告

日時:2025年11月15日(土)
場所:和彩盆 大彦(だいひこ)(名古屋市中村区名駅五丁目)
テーマ:気になるお酒
参加者:26名

 

今回のお酒(順不同)

銘柄
/ 種別
/ 使用米・精米歩合
製造
(産地)
購入
価格
(容量)
把握する
銘柄取扱店舗
参加者のコメント
金雀
/清酒 秘伝隠生酛
/国産米 ・ -
堀江酒場
(山口県)
-
(1.8L)
調査中 微発泡。ごく薄い黄緑色の酒色。洋梨を思わせる甘い香りがある。落ちついた甘みと爽やかな酸味があり、バランスが良い。旨味は軽い。ほろ苦さと甘味の余韻、じんわりくるアルコール感と共に消えていく。 10
而今
/特別純米 火入 2023
/八反錦80%、山田錦20% ・ 60%
木屋正酒造
(三重県)
3,300
(1.8L)
酒泉洞堀一 透明の酒色。洋梨、ライチ、リンゴの香りがある。さっぱりした甘味と酸味のバランスが良い。鋭い辛味が味を引きしめ、爽やかに味をまとめる。軽いつまみにあいそう。 8
田酒
/純米吟醸 山廃
/国産米 ・ 50%
西田酒造店
(青森県)
4,380
(1.8L)
調査中 ごく薄い黄緑色の酒色。メロン、マスカット、穀物の香りがある。上品な甘味を味の中心とし、後半にはしっかりしたコクや辛味を感じる。甘いながらさっぱりとした飲み口。 1
山三
/純米吟醸 金紋錦 五割五分 無濾過生原酒
/長野県東御市八重原産金紋錦 ・ 55%
山三酒造
(長野県)
3,520
(1.8L)
酒泉洞堀一、吉田屋 微発泡。フルーティな香りがある。甘味はしっかりしているが、炭酸感と酸味で爽やかで程よく辛くさっぱりしてドライ。温度が上がると味の濃さが浮きだしてくる。 3
十四代
/純米吟醸酒 中取り無濾過 生詰
/国産米 ・ 50%
高木酒造
(山形県)
4,813
(1.8L)
調査中 ごく薄い黄緑色の酒色。微発泡。ブドウの香り、麹の香りがある。穏やかな甘味と爽やかな酸味のバランスが良い。後半はきれいな旨味を感じさせながらすっきり消えていく。 4
彩來
/風初め 生
/国産米 ・ 50%
北西酒造
(埼玉県)
3,410
(1.8L)
酒泉洞堀一 ごく薄い黄緑色の酒色。マスカットやライチを思わせるフルーティな香りがある。しっかりした甘味を中心に据える。後半は苦味が味を引き締め、飲みごたえを感じる。よく冷やして楽しみたい。 5
奈良萬
/純米生酒 中垂れ 無濾過生原酒
/国産米 ・ 55%
夢心酒造
(福島県)
3,406
(1.8L)
酒泉洞堀一、吉田屋 発泡感がある。透明の酒色。接着剤の香りがある。柔らかな酸味と炭酸感の辛味、強いアルコール感があり、スッキリさっぱりしている。優しく飲み飽きしない。ゆるゆる楽しみたい。 9
二兎
/純米吟醸 山田錦五十五 火
/山田錦 ・ 55%
丸石醸造
(愛知県)
3,960
(1.8L)
酒泉洞堀一、オオタケ、荒川商店 ほか ごく薄い黄緑色の酒色。粘性がある。マスカットや洋梨の香りがある。優しい入口で甘味を感じた後、辛味や苦味が味を引き締める。軽やかでゆるくさっぱりした感じと、強めの押し感が併存する複雑な印象。 2
亀齢
/熟成純米 無濾過原酒
/広島県産八反35号 ・ 80%
亀齢酒造
(広島県)
2,750
(1.8L)
久田酒店、荒川商店、酒のきまた 濃い黄金色の酒色。色程ではない僅かな熟成感を感じる。甘味もあるが辛味が強く、酸味も相まってドライな印象。すっきりしており後半は渋味を残して消えていく。ぬるめの燗を試してみたい。 7
雪男
/純米酒
/国産米 ・ 60%
青木酒造
(新潟県)
3,454
(1.8L)
酒の岡田屋 ごく薄い黄金色の酒色。微かに甘い香りがある。辛味が強くドライでさっぱりした飲み口。苦味は少なく水のようにさらりと消えていく。料理の邪魔をしないという意見の一方で味がない、水っぽいという意見も。 6

(注)この評価は、単に参加者の感想を集計したものであり、他意はありませんので、ご了承ください

(コメント)

11月の定例会、お楽しみいただけたでしょうか。西から東まで、新しいお酒から熟成したのものまで幅広くお楽しみいただけたことと思います。
さて皆さんはワインの世界に古木(ヴィエーユ・ヴィーニュ。略してVV)という言葉があることをご存知でしょうか。大体30年以上の木から収穫されたブドウで作られたワインは若い木のワインと比較して味が複雑であるといわれています。この前お話を伺ったインポータ―さんによると口に入れてから飲み込み消えていくまでに一枚ずつヴェールを剥ぐように味が変わっていく、その複雑さがVVの魅力とのことでした。
ワイン漫画の『神の雫』では「味わいが深くて飲み心地が優しいうえに複雑」(10巻P187)と述べ、その理由としては地中深くまで根がはり、様々なミネラル分を吸い上げているからと作中の人物に語らせています。洋酒の世界では、アイラ島のウイスキーは潮風が霧と共に樽の中に入るので海の香りがするというなど様々な物語があり、古木のワインについても話し半分に受け止めるべきなのかもしれません。ただ、多くの人が飲んでみて深み、複雑さについて優れていると感じてきたことは間違いのないことでしょう。
日本酒においては、お米から雑味のもとになるタンパク質を取り除く精白という作業があります。近年は技術の進歩により10%台まで精白したお酒も見かけます。シンプルさ、純粋さを求めるお国ぶりならではのものですが、その味は皆さんもよくご存知のことと思います。目指すものの違いは、例えるなら油絵と浮世絵の違いというのでしょうか。世界には様々なものがあり、そこが楽しさということなのでしょうか。
閑話休題。次回の定例会は12月20日(土)18時から、和彩盆 大彦とのこと。今年最後の定例会となります。どんなお酒が登場するかお楽しみに。(T)

 


美味しいものイロイロ


お刺身4種


焼き魚

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